ネパールの女性たちにまつわる風習

「ミー、今たまご焼いてるからキッチンに入らないでね。」

今朝マミー(義母)に言われた一言。
これだけ聞くと、何のことやらわかりませんよね。
宗教が生活の基盤にあるネパールでは、生活のいたるところにそれに影響する事象が見られます。

先の「たまご焼いているから」の”たまご”は他でもなく、神様へのお祈りで使う”たまご”で、神聖なそれを焼いているキッチンに入ってはいけない私は、その時「生理」だからなのです。

ヒンズー教では「生理」は「不浄のもの」とされていて、生理中の女性はキッチンに立ち寄ることが禁止されていたり、神棚や供物など神様に関係するものに触れてはいけない、お寺に入ってはいけない、などの決まりがあります。
生理の時にその女性がキッチンに入ってはいけない家庭では、その間はもちろんご飯も作りませんしお皿洗いも何もしません。例えば、母以外全員男性の家庭などでは、暗黙の了解で、子供が小さくても男性陣でどうにか台所の仕事をこなすそうです。
もちろん母はひとり、別室で食事をします。(ここらへんの決まりは民族や家庭よってさまざま)

うちに関しては、食材のパントリーにシヴァなどの神様がいる神棚があるので、生理の間は食材を取りに入れません。
何か必要な時は、

「ちょっと玉ねぎ取ってきて」
「たまご取ってもらっていいですか?」

と義妹やマミー(義母)にお願いして代わりに取ってもらいます。
結婚式やお寺などで挙げる大事な行事の時は生理になったら参加できないので、薬を服用するよう言われたりします。
今思えば、2年半前のまだその風習について何も知らなかった娘の結婚式(ネワール民族の少女の結婚式)の時に、いきなり2日前義姉にピルを飲むように言われ、びっくりしたものでした。

Śiva | শিৱ | JAI MAA

Śiva | শিৱ | JAI MAA

昔、女性たちが家事を休める<表向きな理由>として、生理の時にはキッチンに入れないなどの決め事を作ったという話もありますが、私はそれそのものよりも、ネパールの人たちの生活の中には神様を中心とした生活習慣や考え、迷信を強く信じる傾向が強いなあと感じます。

「この日は肉を食べてはいけない」
「唐辛子を姑が嫁に手渡しすると喧嘩が起こる」
「靴がひっくり返っているのを見ると一日運が悪くなる」
「あなたはへびの霊に捕らわれている」
「霊に憑りつかれてべろべろに酔ってしまってごめんなさい」

これ、私の身近でよく聞くものなのですが、言っている人はいたって本気です。
こういうものを信じることは人の自由だと思うのですが、例えばプジャ(お祈り)の際、水以外何も口にしてはいけないと言って夕方の4時まで何も食べずに倒れてしまうとか、子供が脱いだ靴がひっくり返っているのを見たおばあちゃんがその日あった嫌なこと全部をそのせいにする、痛風やリウマチまで「へびの霊をお払いすれば治る」とお金を払ってお払いしてもらう。そこらへんは、どうなのかな思うこともあります。

ただ、これだけそういう目に見えないものに強い信仰を持っている人が多い場所に住んでいると、どれも否定したり議論することではなくて、それが「生き方」になっている人を尊重する気持ちしかないのが正直な私の感想といったところでしょうか。