歌手であり医師であり母。全てに通ずるアン・サリーの思い。

インタビュー取材動画

jiik tv interview vol.2 Ann Sally(アン・サリー) - YouTube

youtu.be

7年間の変化

編集部:前作『fo:rest』以来、7年ぶりのアルバムが発表されましたが、この7年間はどのような変化がありましたか?

アンサリー:この7年間は、特に子供たちの変化が大きい時期でした。
小さくて目が離せない時期から、少し成長して遠くから眺めるぐらいでよくなるまで、子育ての様式がめまぐるしく変わりましたし、自分の動き方は、全てそれに合わせる形で過ごしてきました。
ようやく少し引いたところから子供を見られる状況になったので、CDの制作に集中できる時間ができたというタイミングです。7年ぐらいかかっちゃいましたね(笑)

編集部:医師と歌手という二つの仕事をしながら子育てをするというのは、難しさもあると思うのですが。

アン・サリー:子供が小さかった頃は仕事の量も少なかったんですが、徐々に医師の仕事もライブの本数も増やしていき、仕事も子育ても、子供の成長に合わせて無理なく調整してきました。
近くに親族がいないこともあり、夫との協力で成り立っていましたね。家族の協力があったからこそ、子供たちとの時間をたくさん作れたんだと、感謝しています。

Ann Sally / アン・サリー

編集部:それぞれの仕事と家庭とで、切り替えるスイッチみたいなのはありますか?

アン・サリー:ライブでも、患者さんを診察するときでも、全然切り替わらないんですよね(笑)
いいのか悪いのかわからないんですけど、どの場面でも気負いみたいなのはなく、いつもこんな感じです。最近になってそういった部分が、よりマイペースにできるようになってきたのかなと感じます。
良い歌手や良い医者を演じることができないので、ありのままの私でよろしければ!というスタイルでやっています。

編集部:お忙しい中で、子供との時間をどのように確保していますか?

アン・サリー:夕方には家に戻って、ほとんど子供たちと一緒に過ごすようにしていますね。
ただ仕事でパソコンと向き合う時間も多くて、子供たちが寝た後にふと「今日どれだけ顔見て話したかな」と、反省するときもありました。そういうこともあり、今はなるべく子供たち優先で接しています。

何か思いつめている様子は、顔を見ればわかるので、小さい食卓を囲む夕食の時間は特に大事にしていますね。
幸か不幸か、我が家にはテレビが無いので(笑)、ラジオをかけながら団欒の時間を過ごしています。

編集部:子育てで特に気をつけていることはありますか?

アン・サリー:学校や家庭で子供に手をあげるといったニュースがありますけど、愛情が高じた結果、手が出てしまうという思考が、私には少し理解ができません。
もちろん私たちの学生時代にそういうことが無かったとは言えないのですが、子供は大人の所有物ではないので。
私にも二人の子供がいますが、私と夫の遺伝子を受け継いでいるとはいえ、独特の人間という感じを受けます。独自の発想があり独自の感情がある。
カーッと怒るときもありますが、子供を一人の人間としてリスペクトしているので、手が出ることはありませんね。

jiikが主催するクリスマスコンサート「ラブリーボンズ」チケット絶賛発売中!
http://jiik.jp/articles/lFuWM

7年ぶりのニューアルバム『Bon Temps』について

編集部:新しいアルバム『Bon Temps』の選曲に、何か基準はありましたか?

アン・サリー:自分がその時々に歌いたい曲を選んでます。
子供を育てながら歌いたい曲と、ある程度成長した子供たちと付き合いながら歌いたい曲が違ってくると思うので、そのような変化はあると思います。
ただ私は、先にアルバムのコンセプトを決めるということをやったことが無いので、今回のアルバムに関しても、歌いたい曲を集めた、今の私の気持ちがコンセプトという認識です。

編集部:書き下ろしのオリジナル曲に加え、カバー曲、さらには韓国民謡の『トラジ』も収録されています。

アン・サリー:分け隔てなくいろんなジャンルの音楽に触れて、そういった経験をもとに、いまいるメンバーたちと『トラジ』をやったら面白いだろうなあ、と思って選曲しました。
実際にやってみると、民謡の枠を超えた、とっても面白いアレンジになったと思っています。

アン・サリーさんの幼少期について

編集部:小さい頃から歌うのが好きだったんですか?

アン・サリー:何十年も経つと、もう違う人間なんじゃないかって思うときありませんか?(笑)
歌うこと自体は昔から好きで、歌ってみると音程も外さないし、自分ではいけるんじゃないかと思っていながらも、引っこみ思案だったので、人前ではとてもとても歌えませんでした。
それでも一番最初に歌う喜びを感じたのは、小学校の野外学習のとき。みんなでキャンプファイヤーを囲んで余興を楽しんでいるときに、社交的な友人に誘われるがまま、大勢の前で歌ったんですね。
そしたらその評判が良くて、今思えばあれが一番最初に味をしめた経験でした。

編集部:そんなアンさんと、ご両親はどう接していましたか?

アン・サリー:いま考えれば、とにかくあまり強制された覚えがないですね。
点数悪くても怒られず、点数が良くても過剰に褒められたこともなく。わりとほったらかしと言ったら、親に怒られてしまうかもしれませんが(笑)

4人兄妹で私が一番上だったので、幼心ながら弟や妹を面倒見なきゃいけないと思い、なんでも自分でやってた記憶があります。良い意味で自立心が強かったのか、10代の後半は早く一人で暮らしたいと思っていました(笑)

Ann Sally / アン・サリー

編集部:将来の進路についてご両親からのアドバイスはありましたか?

アン・サリー:父と同じように(※アンさんの父親は医師)医師を目指す道もありながら、それでも音楽の方に傾いていた私に対して、若いうちにどちらか一方に限定する道を選ぶのではなく、歳を重ねながらどちらもできるような道を選んだらどうか、とアドバイスをくれましたね。
いまでは、医師と歌手の両方を通して、それぞれ共通する部分があるんだなと感じています。

クリスマスコンサート・ラブリーボンズ出演について

編集部:クリスマスの印象的なエピソードはありますか?

アン・サリー:ありきたりな話になってしまいますが、家族でコタツに入って、父の帰りを待ちながらドリフを見る(笑)やっぱりクリスマスは夢があるような、なにか不思議なことが起こりそうだなと、ワクワクしていました。

編集部:クリスマスコンサートはどのようなステージになるでしょうか?

編集部:7年ぶりのアルバムからも多くの曲を歌うでしょうし、お馴染みの曲に加えて、クリスマスソングも歌いたいです。毎年クリスマスシーズンになると歌っていて、そう考えると歌手生活を始めてから15年分の積み重ねがあるので、そこを楽しんでいただけると嬉しいです!

Ann Sally / アン・サリー

編集部:最後に、育児中のパパママにメッセージをいただけますか?

アン・サリー:親が失ってしまった感性を、まだ持っているのが子供だと思います。
大人は目の前のことを処理しながら、どうしても過去や未来のことを考えてしまう。ところが子供たちは、目の前のことに没頭して、今を濃厚に生きています。

最近特に感じるのが、子供を抱っこしながらも「私が抱っこされている感覚」です。本当に子育ては、持ちつ持たれつ、お互い支え合っているんだなあと。
大変なことも多いと思いますが、楽しんで、子育てを頑張りましょう!

アン・サリー プロフィール

幼少時からピアノを習い音楽に親しむ。
大学時代よりバンドで本格的に歌い始め、卒業後も医師として働きながらライヴを重ねる。
2001年「Voyage」 でアルバムデビュー。2003年「Day Dream」「Moon Dance」では、洋の東西を問わぬ新旧の名曲をオリジナルに昇華した歌唱が好評を博しロングセラーに。2002年から3年間ニューオリンズに医学研究のため暮らし、地元の音楽家と現地でプライベートに収録した音源を、帰国後アルバム「Brand-New Orleans」として発表し話題を呼んだ。
帰国後は医師としての勤務の傍ら日本全国でライヴ活動を行い、2児の母となった2007年には「こころうた」を、2008年11月には、書き下ろしオリジナル曲「時間旅行」(ニンテンドー3DS「レイトン教授と最後の時間旅行」テーマソング)を発表。2012年には映画「おおかみこどもの雨と雪」の主題歌「お母さんの唄」が多くの人々に愛された。
2017年秋には、7年ぶりのオリジナルアルバムの発表が控えている。
時代やジャンルの枠を超えた、柔らかくも情感あふれる歌唱と、そのナチュラルなライフスタイルは幅広く支持されている。

Ann Sally オフィシャルサイト

7年振り、7枚目のオリジナル・アルバム。
暮らしの中で緩やかに芽吹き、ほころぶ花々のように芳醇なオリジナル曲、花蜜の抽出されたカヴァー曲。
想い溢れる名曲の情景を、旅する仲間達と収めた「 Bon Temps (ボン・トン)=良い時間 」が、いま刻まれる。