戦争について考える

当然ですがみなさん、戦争について考えたことはありますか。
学校の授業や戦争を題材としたアニメやドラマ、映画を見て考えたという人は多いと思います。
最近では、日本アカデミー賞で最優秀アニメ賞を受賞した「戦争と広島」をテーマに描かれた「この世界の片隅に」が有名ですね。
しかし、戦争を体験した方の話を聞いたことのある人は少ないのではないでしょうか。

私は学生時代、空襲の研究をしていました。
研究テーマは「空襲でなぜ多くの人が亡くなったのか」。
青森、八王子、大阪、鹿児島の4都市で空襲の被害にあった約30名の方に取材を行いました。

当初私は、戦争について興味はありませんでした。
そんな中、八王子空襲について取り上げたドキュメンタリー番組を見ました。
自分が住んでいる街がかつて大規模な空襲を受けていたことを初めて知り、これまで学校で戦争について学んできましたが、「戦争について自分は全く知らない」と感じ研究を始めました。

多くの人は、「戦争について知っていることは?」と聞かれたら「原爆」「沖縄地上戦」「特攻隊」については答えられるでしょう。
しかし、それらのことについて具体的に語れる人は少ないでしょう。

戦争とは・・・

戦争とは、第二次世界大戦を指します。
1939年から1945年までの6年間、ドイツ、日本、イタリアの日独伊三国同盟を中心とする枢軸国陣営と、イギリス、ソビエト連邦、アメリカ、中華民国などの連合国陣営との間で戦われた全世界的規模の巨大戦争。
日本は世界で唯一の原爆の被爆国です。
8月6日に広島で、その3日後の9日には長崎で原爆が投下されました。

日本では、戦争で約230万人が亡くなったと言われいます。
しかし、未だに戦争について解明されていない部分が多く、正確な死者数というのはわかっていないのです。

子供たちも戦っていた

戦時中、国家が国民に兵役に服する義務を課す「徴兵制度」がありました。
日本男子の17歳から40歳(1943年以降は45歳)まで兵役につかなければならなかったのです。
72年前までは、今でいう高校2年3年生の子たちも兵士として戦争に参加しなければならなかったのです。

そして、戦局が悪くなった日本は、飛行機の胴体に爆弾をくくりつけ、飛行機もろとも敵艦に体当たりする特攻作戦に出たのです。
その作戦を実行したのが特別攻撃隊、つまり、特攻隊だったのです。
作戦に参加したの多くは、10代後半から20代前半の若者だったといいます。
この作戦を命じられた若者は、作戦実行前から生きては帰られないことが決まっていたのです。

作戦前、若者が家族に宛てた遺書が鹿児島県知覧町にある「知覧特攻平和会館」に展示されています。
私も一度行ったことがあります。
若者が最後に書いた手紙を私は、涙なしでは見られませんでした。

なぜ戦争の記憶は風化しているのか

戦争から70年以上が経過し、戦争を知る人たちは少なくなっています。
実際、私が取材した人たちは、全員が当時14歳以下でした。
戦争を語ることができる人が少なくなっていることに戦争の記憶が風化している原因の一つだと思います。

もう一つ考えれらることは、戦争について学ぶ機会が減っていることにあると思います。
私自身、高校まで第二次世界大戦については学びましたが、全国各地で空襲があったことは知りませんでした。
たしかに、戦争の語り部の方が学校に来て講演したり、修学旅行で原爆記念館に訪れたことはありました。
しかし、今は語り部の高齢化もあり、戦争の話を聞くのが難しい状況になっています。
研究を通し、多くの語り部の方の講演を聞きに行きましたが、ほとんど若者はいませんでした。

子供たちに戦争について学ぶ機会を与えよう

戦争の記憶が風化しつつある今、私たちができることは、子供たちに学ぶ機会を与えることだと思います。
私は、空襲の研究をしていた時、八王子市の中学校で講演をしたことがあります。
講演後もらった手紙の中には、自分の祖父や祖母に話を聞いてみようと思いますと書いていました。
この時、きっかけを与えることが大切なのだと思いました。

夏休み、家族で旅行する際、戦争に関する施設を一つでもいいので訪れてみてはいかがでしょう。
我々大人は、子供たちにきっかけを与えることしかできないかもしれませんが、とても重要なことなのです。

知覧特攻平和会館

鹿児島県南九州市にある知覧特攻平和会館。大東亜戦争(戦後は太平洋戦争ともいう。)末期の沖縄戦において特攻という人類史上類のない作戦で、爆装した飛行機もろとも敵艦に体当たり攻撃をした陸軍特別攻撃隊員の遺品や関係資料を展示しています。

長崎原爆資料館 | 長崎市 平和・原爆

被爆の惨状をはじめ、原爆が投下されるに至った経過、および核兵器開発の歴史、平和希求などストーリー性のある展示を行っています。

広島平和記念資料館

広島平和記念資料館は、被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や資料を収集・展示するととともに、広島の被爆前後の歩みや核時代の状況などについて紹介しています。