新たに赤ちゃんを迎える子供にぴったりの絵本!

出産間近の赤ちゃんが家族を観察中『おへそのあな』

大活躍中の絵本作家・長谷川義史が描いたのは、お母さんと赤ちゃんを結ぶ「へその緒」をテーマにした作品です。
もうすぐ産まれる赤ちゃんは頭を下にして、へそのあなから家族のことをじっと見ています。
お兄ちゃんが作った牛乳パックのロボット、お姉ちゃんがお世話をしている花、お父さんが奏でるウクレレの音色、お母さんが料理する晩ごはんの匂い。
どれもこれも赤ちゃんが産まれてくることを楽しみに待っている家族の姿です。

ちいさな ちいさな あかちゃん。
いまは まだ
おかあさんの おなかの なか、
だけど……。

おかあさんの
おへその あなから
みえる
みえる。
―本文引用

全体を通して文章は簡潔で、低学年でも一人で読めるボリュームです。
1年生の国語の教科書には動物の赤ちゃんを学習する単元がありますが、この年齢の子どもたちは女子を中心に人間の赤ちゃんにも興味がある様子。図書室で赤ちゃんの本を選ぶときに、兄弟の話をしてくれる子もいれば、親戚の赤ちゃん、近所の赤ちゃんにまで話題は広がります。

『おへそのあな』を読むと、お母さんのおなかにいる間は眠っているだけではなくて、おなかの外のことを観察しているんだという新たな発見があるようです。

おへそのあな | 長谷川 義史 |本 | 通販 | Amazon

みえる、みえる。なにがみえる?ちいさないのち、たいせつないのち。

出産まであと少し!お母さんのがんばりを描いた感動絵本

『おかあさんが おかあさんになった日』は、出産当日のお母さんを描いた作品で、話は入院受付の場面から始まります。
予定日を過ぎても産気づかないお母さんですが、お腹のなかの赤ちゃんは元気な様子。医師は赤ちゃんの心臓の音を聞かせながら、運動するようにと伝えます。

うんどうのため、びょういんの
なかを さんぽしたのよ。
(あかちゃんが うまれたら、
げんきに そだってほしいなあ。)
―本文引用

総合病院内を大きなお腹をかかえて歩くお母さん。
小児科をスタートして、外科、ナースステーション、食堂、売店をめぐりますが、まだ産気づきません。シャワーをしてすっきりしたら、散歩の再開です。
長い階段を昇っていると、とうとうお腹がキューっと痛みだしました。そこからは真っ赤な顔して痛みに耐えたり、お父さんが駆けつけてくれたりと誌面には切羽詰った様子が表れています。

出産場面は臨場感のある挿絵で、子どもたちはここで目が釘付けになります。
赤ちゃんを産むとき、こんなに汗を吹きだして、歯をくいしばり、瞳をぎゅっと閉じなければならないほどの痛みに耐えるのだと感じるのでしょう。けれど、ページをめくって出産後の授乳場面を見ればほっと安心します。
桃色のパジャマと背景には温かみがあり、幸せな母と子の姿を映しだしているのです。

『おかあさんが おかあさんになった日』は親子で読むと、母親のほうが涙を流してしまうかもしれませんね。
大きく成長した我が子も、産まれたてのときがあったのだと、誰もが当時を思い返すことでしょう。

おかあさんがおかあさんになった日 (絵本・こどものひろば) | 長野 ヒデ子 |本 | 通販 | Amazon

おかあさんは期待と不安の中、はじめて赤ちゃんを生んだ日、おかあさんに。
第41回サンケイ児童出版文化賞、第4回けんぶち絵本の里びばからす賞

お姉さんのしゃべり言葉で綴られた写真絵本『あかちゃんてね』

腹ばいになった赤ちゃんが表紙を飾る『あかちゃんてね』は、一人の赤ちゃんを出産直後から一年後までを記録した写真絵本です。
生まれたての泣き顔も、授乳中の幸せそうな顔も、つかまり立ちしている堂々とした姿も「れいちゃん」という女の子。見開きごとに、れいちゃんの全身写真、もう2枚は家族写真などで構成されています。

その写真のそばには、れいちゃんのお姉さん・ゆいちゃんのしゃべり言葉が添えられているのです。
6か月のときの写真は姉妹の写真が一枚、ベビーカーを押すお母さんと姉妹の外出風景を載せています。

あかちゃんが いるから
おかいものは いつも あるいてばかり。
まえみたいに ママと ふたりで
じてんしゃに のっていきたいなぁ。
ママが はんぶんに なっちゃったみたいで、さびしい…。
―本文引用

この文章を読んで共感する低学年の子は多くいます。
赤ちゃんの時期を過ぎても、幼い妹や弟の面倒ばかりを見る母親に対して、寂しく、切ない気持ちになるのでしょう。ゆいちゃんの言葉は、この絵本のなかで赤ちゃんが家族に及ぼす影響を子どもにわかる表現でおしえてくれます。
10か月の見開きは、しょうがないよね、とお姉さんをギュッとしてあげたくなるような文章です。

あかちゃんてね、ママと いっしょじゃないと
ねんねしないの。
だからね、わたしが パパと いっしょに
ねてあげることにしたんだぁ。
―本文引用

下の子の体の成長に合わせるように、上の子の心の成長が見て取れます。
健気なゆいちゃんには頭が下がります。
本作品は、赤ちゃんの成長記録でもあり、一家庭の生活変遷でもあります。子どもだけでなく、大人にも読んでほしい絵本です。

あかちゃんてね | 星川 ひろ子, 星川 治雄 |本 | 通販 | Amazon

あかちゃんの成長を姉の目で綴った写真絵本
赤ちゃんの誕生から1年間を、5歳の姉の目で綴った写真絵本。姉になることにとまどいながらも、成長していく妹を見つめて受け入れていく過程を描きます。赤ちゃんの1年間の成長を、月ごとに見ることができます。

新しい家族にヤキモチをやくより、お手伝いしてあげよう!

『あなたって ほんとに しあわせね!』は、新しい家族として主人公の女の子に弟が誕生する物語です。
優しい色彩と簡潔な文章で、低学年の子どもが好む作品といえます。
お母さんのおなかは10か月かけて大きくなり、冬の日、出産のためにお父さんと病院へ行きます。翌日、出産を終えたお母さんに会いに行った女の子。小さな弟と対面し、さまざまなことを話しかけます。

「あかちゃん、わたしとあそべる?」
「いいえ、まだ ひとりで すわれないの。」
わたし、あかちゃんに いいたわ。「こんにちは、ちいちゃい あかちゃん。」「わたしがおねえちゃんよ。」
―本文引用

はじめは弟ができたことをよろこんでいた女の子ですが、自宅へ戻ると感情は一変します。
お母さんは弟の面倒をみるのに忙しく、女の子のことをどうしても後回しになります。
女の子が太鼓をたたいて遊ぶと、赤ちゃんは泣きだしてしまい、お母さんはパーティーごっこにも参加してくれません。そんな女の子を見て、お母さんは言います。

「だれか、わたしを てつだってくれるひといないかしら。」と、おかあさんがいった。
「あかちゃんに ごはんを たべさせて くれる おおきな おんなのこが いたら いいのにな。」
―本文引用

誘い方が上手です。
すねていたり、さびしがっていたりする女の子に、お手伝いという仕事を任せるのです。
女の子のこたえは、

「わたし できるわ。」

でした。一度お手伝いが始まると、お姉さんはなにもかもに積極的です。
赤ちゃんをあやし、絵本を読んであげ、お月さまを一緒に見るのです。
一人っ子で自由を謳歌していた女の子が、弟思いの優しいお姉さんに変身します。

兄弟を持つ親にとっては、とてもありがたい絵本です。上の子とともに読んで、下の子のお世話を頼んでみるというのも平和な家庭を築いていく作戦の一つですよね。

あなたってほんとにしあわせね! | キャスリーン アンホールト, Catherine Anholt, 星川 菜津代 |本 | 通販 | Amazon

今までは、おかあさんとおとうさんとわたしだけだった。でも、おかあさんがもうひとり、赤ちゃんを生むことになり、わたしに弟ができた…。赤ちゃんとわたしが、きょうだいとして仲良くなる様子をほほえましく描く絵本。