イギリスの児童文学作家、アーサー・ランサムの代表作『ツバメ号とアマゾン号』は、これまで世界中の多くの少年少女たちを、冒険の世界へ誘ってきました。
私も小さい頃に夢中になり、小学5年生のときに訪れた河口湖キャンプでは、一人でツバメ号ごっこをしたものです。迷うのが怖くて行動範囲は激狭でしたが。
そんな『ツバメ号とアマゾン号』が映画化されるというではありませんか!
予告編もすでに公開されている!

SWALLOWS AND AMAZONS Trailer (2016) Adventure Film - YouTube

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日本語字幕がついていないのが残念ですが、小説の再現度高し!
予告編の後半部分を見る限り、原作にはないオリジナルシーンが追加されるのかもしれませんね。
どちらにせよ、幼き頃にワクワクした感情が、そのまま蘇りました。
近所の図書館で『ツバメ号とアマゾン号』の上下巻を借りてもう一度読み返したので、早速レビューしたいと思います!

親と子供の圧倒的な信頼関係!

Family of Swallows and Amazons Titty  'furious' as BBC film changes her to Tatty

Family of Swallows and Amazons Titty  'furious' as BBC film changes her to Tatty

是非とも読んでいただきたいので、詳しいあらすじは伏せて、冒険の始まりの部分を紹介。

ウォーカー家の4人兄妹、ジョン、スーザン、ティティ、ロジャーは、休暇を湖の畔の街で過ごしていますが、どう〜しても湖の先に浮かぶ無人島で過ごしてみたいのです。
ようやくお父さんから許可をもらい、小さい帆船の「ツバメ号」に乗り込み、4人だけでの無人島暮らしが始まるのですが、そこではライバルチームの「アマゾン号」との出会い、そして戦い、そして同盟など、さまざまな事件が待ち受けています。

なーんだ!よくある夏休みの冒険ものね!
そう思ったあなた、甘いですよ。
いまの時代に置き換えてみてくださいね。
子供たちだけで2キロ弱の距離を帆船で渡って、なおかつ子供たちだけで無人島で暮らすんですよ。それを許可する親も子供も、現代社会ではそうそう見つけられないでしょう。

子供たち4人は、何度も何度もおとうさんに「無人島で過ごしたい」と手紙を出します。
お父さんは軍艦に乗り込んで香港にいるんですね。
そのお父さんからやっと電報が届くのですが、

オボレロノロマハノロマデナケレバオボレナイ

と何やら暗号じみた言葉が書かれています。
これをしかるべきところで区切ってみると、

溺れろノロマは。ノロマでなければ溺れない。

ようやく意味が通じます。
つまりお父さんは子供たちの無人島行きを許可したんですね。
うちの子たちにノロマはいないから無人島にいってきなさい。それに少しでも気を緩ませたら危険だぞ。というメッセージをいたずらっ気たっぷりに込めています。

とにかくお母さんが素晴らしい!

またこのお母さんがとにかく素晴らしい!
僕が知ってる限り、世の中のあらゆる児童文学に登場するお母さんたちの中で、ダントツに素晴らしいです。
子供たちだけで無人島で暮らすことについては当然心配なはずなんですが、子供たちがやりたいと思ったことを尊重させたり、また困難だと思うところについては前もってサポートしたり、とにかく距離感が素晴らしい!

生活の知恵にも長けていて、テント作りや食料の確保方法など、子供たちが無人島で暮らす術を伝えます。
無人島への渡航練習をする際に、お母さんも同行するのですが、そのときの長男のジョンとのやりとりを見てみましょう。
ちなみにお母さんはなりゆきでエリザベス女王を演じています(笑)

ジョンは今はじめてツバメ号を走らせるところだったので、考えることが多すぎて、女王様どころではなかった。「もやい綱を解く間、舵をたのめるかな、おかあさん?」とジョンが聞いた。「いいえ、だめ」とおかあさんはいった。「女王様であろうとなかろうと、私は乗客です。それに私は、あなたたちだけで、船をどうあやつるか見たいのです。」

子供たちとおどけている間でも、しっかりやることはやらせる。
とかくお母さんは、子供たちがやることをなんでも手伝ってあげがちですよね。
しかし子供が成長して自立するためには、子供の力だけでやり遂げることも必要不可欠です。そういうメリハリのある教育方針がお母さんの行動から見て取れます。

お母さんはこんなテントまで作っちゃうんですよ!

このように、子供たちは両親や大人たちの協力をもらないながら、無人島暮らしを始めます。
子供たちの冒険については、是非本を読んでみてくださいね!

次項ではこの『ツバメ号とアマゾン号』が、文学作品としてどう優れているのかという点を、僕なりに紹介したいと思います!