今回ご紹介する「ワンダー」は、
児童向けの小説ながら、大人も魅了し、アメリカではNYタイムズベストセラー第1位にもなっています。

※本の文章を引用しています。予備知識をつけずに、まずは小説を楽しみたい、という方は、先に小説を読んでから、この記事を楽しんでくださいね!

「ふつう」って、どういうこと?

主人公のオーガスト(通称オギー)は、生まれつき顔に障害のある10歳の男の子。
その障害とは、遺伝子の変異によって顔面に異常が現れる下顎顔面異骨症という疾患です。

オギーは物語の中で、自分の外見について「説明しない」と語り、その理由についてこう言っています。

「きみがどう想像したって、きっとそれよりひどいから。」

その外見のせいで、オギーは人からじろじろ見られたり、悲鳴をあげて逃げられたり、ずっとつらい思いをしてきました。
「ワンダー」のイメージ動画をご紹介します。
オギーになったつもりでこの動画を観てみてください。

Wonder book trailer - R.J. Palacio (UK version) - YouTube

www.youtube.com

オギーは自分が「ふつう」の子とは違うということを分かっていて、そして、その状況を受け入れようと懸命に生きています。とても賢く強い男の子です。
だけど、ひとつだけ願いが叶うとしたら「ふつう」の顔になりたい、時々そんなことも考えてしまいます。

しかし、そもそも「ふつう」「ふつうじゃない」とはどういうことでしょうか?
オギーはこんなことを言っています。

「ぼくがふつうじゃないのは、だれからもふつうだって思われてないからじゃないかな。」

オギーは心の中では自分のことを、アイスを食べたり、自転車に乗ったり、ゲームをしたりする他の子と変わらない「ふつう」の男の子だと思っています。
けれど、周囲はそんな風に自分を見てくれない。
だから、自分は「ふつう」になれないんだ、と感じているようです。

そしてこれが、この物語の鍵でもあるのです。