小学生の間はとにかくがんばれ!

1年生になるまではヤマハ音楽教室に通っていました。
とにかく行くのが面倒臭くて、

「今日頑張ったらマクドナルドのフィレオフィッシュ買ってあげるから!」

という母親のニンジンだけを目当てに通っていました。マクドナルドにしたって毎回行けるわけでもないので、何曜日か忘れましたが、とにかく週一回のヤマハの日が大嫌いでしたね。
ただレッスン自体の記憶はというと、けっして嫌なものではなく、母親の目から見ても楽しんでいたとのことです。やめる前の発表会では、鉄琴でビートルズのオブラディオブラダを演奏したのを覚えています。

この段階では多くの子供が、好きか嫌いかっていう明確な線引きはできないと思うんですね。
熱心な家庭はすでにハードな練習に取り組むのかもしれませんが、子供たちがピアノに抵抗を持たず、音楽に親しむことが最優先の時期ではないかと。

恥ずかしがり期の到来

1年生に入学すると同時に、家の近所にある個人のピアノ教室に通うようになりました。
この教室の先生とはご縁があって、37歳になった今でも親しくさせていただいておりますが、それについてはまた後述します。

1年生になると男の子は、ピアノを習っていることが急に恥ずかしくなります。
保育園・幼稚園でも男子同士のコミュニティはあったはずなんですが、より子供同士のコミュニケーションが活発になる学校という場所では、男の子がピアノを習っていることが、えてして中傷の的になったりするのです。
やっぱりサッカーや野球、空手など、男の子っぽい習い事が優勢で、ピアノは肩身が狭いんですよね。

僕の体験で言うと、2年生の頃に音楽室で、僕がピアノを弾く場面がありまして。
いきさつは忘れましたが、多分僕がピアノを習っていることを知った同級生から、弾いてみてーって頼まれたんだと思います。
そこで当時僕が練習していた、ブルグミュラーの「タランテラ」を披露したのですが、これがまた同級生の反応が激うすで、 「あーなんかこいつ弾いてんなー」ぐらいの表情だったんですね。
僕としては家で練習しながら、いいメロディーだなー、とか上手く弾けてるなーとか、自分なりにタランテラという曲の良さを感じながら弾いていたので、同級生の薄い反応はかなりのダメージでした…

子供なりにピアノに自負心を持つ

そんな僕の考え方が変わったのは、ふとしたことでした。
当時ファミコンが登場して、スーパーマリオが一大ブームを巻き起こしていたのですが、ある日レッスンのときに先生が、右手だけで、あのおなじみの音楽を弾いてくれたんですね。

ミミミッドミッソッ

先生は何気なく弾いただけで、当時のことは覚えていないかもしれませんが、僕はそれがとても衝撃的で、家に帰っても練習曲を弾かずに、ずーっとスーパーマリオの最初のステージの音楽を、耳コピしながら弾いていました。
今考えたらおかしい話なんですが、
子供にとってピアノの世界って、先生や親から渡された楽譜の中だけって感覚もあったんですね。
ハノンやブルグミュラー、ツェルニーなど、教則本で練習を進めながら、子供にとってのピアノの習い事が、与えられた楽譜を練習して演奏する、単なる作業になっている場合があるのかなと。

ピアノに限らず、すべての楽器に言えることなんですが、僕の場合は、人気のあるゲームの音楽も、テレビの音楽も、全部この音階でできているんだ。そして僕はそれをピアノで演奏できるんだ!と感じた瞬間に、ピアノが弾ける自分がとっても誇らしくなったんです。

習い事をさせている親はそうでなくても、肝心の子供が、ピアノを作業だと思っていることは少なくありません。
たまにはゲームの音楽や、流行のポップスなどの楽譜を与えて、ピアノが弾けるアドバンテージについて、直感的に感じさせてあげるのも一つの方法です。