没後20年特別展「星野道雄の旅」を開催。今後、全国で巡回予定

没後20年 特別展 星野道夫の旅

没後20年 特別展 星野道夫の旅

学生時代や独身時代、星野道夫に憧れを抱いたパパもいるのではないでしょうか?
バックパッカーとして外国の地を歩きたい、自転車やバイクにまたがって大陸を横断したいと夢をふくらませた人が情報を集めるとき、この写真家の名前とぶつかったはずです。

星野道夫を知ったのはいつごろでしょうか?
わたしがその名前と出会ったのは、映画館の片隅にある書店でした。
その雑誌は、すでに亡き写真家がいかに自然を愛したか、いかに勇敢だったかを回想するもので、長文のそこここにアラスカで撮られた作品が載っていました。その後、いくつかの書籍や雑誌で目にして、星野道夫という人物が少しずつわかってきたように思います。

没後20年 特別展 星野道夫の旅 / 撮影:星野道夫

没後20年 特別展 星野道夫の旅 / 撮影:星野道夫

2016年は、星野道夫が取材で急逝してから20年。
それに際して東京や大阪では特別展が開催されました。
ホームページによると、10月以降も全国で巡回を予定していて、次の開催場所と期間は随時更新されるそうです。
撮影機材やカヤックも展示されているようですから、星野ファンならぜひとも見てみたいものですよね。アウトドアが好きな家族、カメラが趣味の親子、そういう人たちにも星野道夫の作品はおすすめです。

●親子で楽しむなら写真絵本『ナヌークの贈りもの』

没後20年 特別展 星野道夫の旅 / 撮影:星野道夫

没後20年 特別展 星野道夫の旅 / 撮影:星野道夫

氷の世界で共に生きるエスキモーとナヌークのあいだには、かつて大切なことばがありました。それは不思議なことばで、狩るものと狩られるものを優しく結びつけ、生と死の境さえなくしてしまうものでした。
あらゆる生命はそのことばでつながり、世界はやすらぎに満ちていたのです―。
―裏表紙引用

出版社情報によると、ナヌークとはエスキモーの言葉で「氷海の王者・シロクマ」のこと。
写真絵本ですから、写真に注目したいのですが、星野道夫が紡ぐ物語がとても優れていて、まずそれに惹きつけられます。読んでいると、心は研ぎ澄まされていくのに、吹雪の音、ナヌークの戯れと教え、少年が語りかける声が聴こえてきます。

ナヌークの贈りもの | 星野 道夫 |本 | 通販 | Amazon

シロクマの写真絵本。北極発メッセージ絵本。むかしむかし人間は、シロクマと同じことばをしゃべっていた。氷海の王・ナヌークが教えてくれた自然の掟―。夢のなかでシロクマに出会った、少年の物語。

「われわれは、みな、大地の一部。
おまえがいのちのために祈ったとき、
おまえはナヌークになり、
ナヌークは人間になる。
いつの日か、わたしたちは、
氷の世界で出会うだろう。
そのとき、おまえがいのちを落としても、
わたしがいのちを落としても、
どちらでもよいのだ」
―本文引用

どの場面のナヌークも、極寒の地で生きています。
歩いて、寝て、遊んで、人間の子どもと変わらぬ姿で親子や仲間と時を過ごしているのがわかります。動物園の檻のなかや図鑑の挿絵として見る生きものとは異なる、温もりや荒々しさが伝わるでしょう。

また、雪原で撮られた写真も初めて見る子には驚きでしょう。
草や枝がほんの少し写っている程度で、白の世界がどこまでも続きます。
太陽の傾きと風の鳴り方で表情は変わるものの、どの写真にも凛とした美しさがあります。