子供の貧困

今、子供たちが直面している貧困は「相対的貧困」と呼ばれるものです。
これは、国の平均的な生活水準と比較して著しく低い状態のことを指します。
日本では、子供の6人に1人が貧困状態にあると言われています。
そして、その多くが一人親世帯です。

子供の権利が奪われている

お金がないため、自分がやりたいことや欲しいものが買えないなど子供の権利が奪われています。

・部活動や習い事ができない。
・新しい服が買えない。
・家族旅行に行ったことがない。
・家に帰ったら親がいない。

このように、子供が成長できる機会や人とのつながりを奪われています。

また、アルバイトができる年齢になっても同じです。
相対的貧困状態にある高校生の多くは、自分の進学費や生活費のために働いています。
部活動に入りたくてもお金がないため、アルバイトをする。
アルバイトしても生活費などで消え、将来、大学や専門学校に進学したくてもできない。
社会にこれから羽ばたこうとする高校生が、その入り口でかなりの負担を強いられているのです。

援助制度があっても難しいことがある

今年の2月、NHKで「見えない“貧困”~未来を奪われる子どもたち~」という番組が放送されました。
この番組では、小学生から高校生までの子供の「見えない貧困」の実像を伝えていました。

NHKドキュメンタリー - NHKスペシャル「見えない“貧困”~未来を奪われる子どもたち~」

NHKドキュメンタリー - NHKスペシャル「見えない“貧困”~未来を奪われる子どもたち~」

放送後、ネットでは様々な声が飛び交ったそうです。
同情するような声から「まだまだ甘い」という声まで。

私も決して裕福と言えるような家庭ではありませんでした。
しかし、高校では3年間野球部に所属することができました。
また、奨学金を借りながら大学への進学もできました。

ここで言いたいのは、貧困の状態は一人一人違うということです。

大学進学する際、奨学金を借りれば何とかなるのではないか、と思う人も多いと思います。
たしかに、奨学金を借りればある程度の水準で生活ができます。
しかし、奨学金を借りられる前に入学金など多くのお金が必要です。
奨学金が支給され始めても、学費分しか賄えず、生活費は自分で稼がないといけないこともあります。
また、大学に進学したからと言って、就職が保障されているわけでもありません。
将来が不安で生活費や奨学金返済のお金を貯めるために、夜のお店で働いている学生を私は何人も見てきました。

私は、大学生までは精神的な負担を負わせるべきではないと思います。
ましてや、高校生は進学か就職かとても大切な時期です。
選択肢を狭めることは、彼らの人生に影響していきます。

社会全体で取り組むべき問題

昨年度から全国の自治体や国が大規模な調査を行い、今まで不透明だった子供の貧困が徐々に可視化してきました。
テレビや新聞などでもこの問題を取り上げています。

貧困問題は、子供たち自身で解決できる問題ではありません。
私たち、大人が取り組んでいかないといけない問題なのです。

今は、国の制度だけではなく、企業によって一人親を支援する企業も多くあります。
制度はもちろん、そういった企業の情報を知ることも大切だと思います。

相対的貧困状態にある親たちも、まさか自分がこうなるとは思わなかったと思っている人が多いかと思います。
決してこの問題は他人事ではないのです。
私たち大人ができることは、子供たちに選択肢を増やしてあげることです。
そして、何よりも私たち大人が子供たちの声や思いを潰さないということです。

子を持つ親はもちろん、これから子供を持つ家庭、貧困家庭への援助制度や環境の整備、企業での援助制度など社会全体で取り組まないといけない問題ではないでしょうか。