保育園の空きがない…社会的問題になっている「待機児童」

日本の「待機児童」の現状

「待機児童」とは市町村に保育園の入所届けを提出しているにもかかわらず、保育園が不足していたり、定員が埋まってしまっていたりするなどして保育園に入れない児童のことを指します。
とくに0歳~3歳児の児童や5月以降の途中入所を希望する場合が入所困難とされています。

1960年代~1970年代の第二次ベビーブームの際に多数発生し、1980年代に一時沈静化したものの、1990年代後半以降、待機児童数の増加が再加速し、特に都市部での増加が見られました。

近年の待機児童の現状としては、2015年4月1日時点で全国23,167人となり、昨年の2014年4月1日時点の21,371人から5年ぶりの増加となりました。
さらに、今年2017年に保育ニーズがピークに達すると厚生労働省から発表されています。

認可保育園(国が定めた施設の広さや、設備保育者の資格所持や人数などの条件を満たした保育施設)だけでなく、認可外(認可保育所以外の保育施設)も現在待機児童がいるのが現状です。

「待機児童」が増加する原因は?

「少子化」といわれている現代で、なぜここまで待機児童が増えているのでしょうか?
それは、女性の就業率が関係しています。
不景気の影響や、雇用形態が変化している中で今や共働きが当たり前となってきています。
結婚している女性の25歳から44歳では就業率が60%を超えているそうです。

また、核家族化が進み自身の親に預けることができないといった現状もあります。
2015年段階では、子供のいる世帯のうち79%が核家族世帯となっているため仕事をするために預けざるを得ない状況になっているようです。

このように働きに出たいママが増えているのが現実。
しかし保育園に入れず育休を延長せざるをえないママや新たに働きたくても働くことができないママが増加しており、社会問題となっています。

待機児童に対する国の対策

都心を中心に国全体の社会問題となっている「待機児童」。働きたいママからすれば死活問題です。
では、日本ではどのような対策がとられているのか調べてみました。

政府は、「待機児童解消加速化プラン」を2013年4月からスタートさせました。
このプランは、

・2013年~14年度を「緊急集中取組期間」として、約20万人分の保育施設を集中的に整備できるようにするため万全な支援を用意する。

・2015年~19年度を「取組加速期間」として上記と合わせて、支援を増やし約40万人分の保育の受け皿を確保する。

・保育ニーズのピークを迎えるといわれている2017度末までには待機児童ゼロを目指す。

といったものになっています。
以下、上記プランの詳細である具体的な取り組みとしての「5本の柱」を引用したものです。

具体的な取り組みとして以下の「5本の柱」を打ち出している。

1. 賃貸方式や国有地も活用した保育所整備
保育所建築の際にネックとなりがちなのが建設地の確保。特に待機児童が集中している都市部には保育所を作る土地が不足している。そこで国有地を活用したり、賃貸でも保育所を設置できるよう援助する。
2. 保育を支える保育士の確保
保育所の不足と同時に、そこで働く保育士の不足も深刻化している。理由のひとつとして仕事のハードさに対し、給与が低いことがあげられるようだ。そこで処遇の改善や認可外保育施設などで働く無資格者の保育士資格の取得を支援する。
3. 小規模保育事業の支援
確保できる土地の面積が狭くても保育所の運営がしやすいように0-3歳未満児を対象とした、定員が6人以上19人以下の少人数で行う小規模保育事業の運営費などを支援する。
4. 認可保育所を目指す認可外保育所の支援
認可保育所に移行する意欲がある認可外保育所の運営費、移転費、改修費などを支援し、5年間で認可保育所に移行できるように計画。
5. 事業所内保育所の支援
企業などの事業所内に設ける保育施設は、従来自社従業員の子どもが5割以上いることが条件だった。それを1人以上に緩和する。

http://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_00560/

しかし、このプランにより2013年から2015年の3年間で、保育の受け皿は約31万4,000人分増えたにもかかわらず、待機児童は一向に減る気配がないとのことです。

その他各自治体でも待機児童を解消すべく、さまざまな対策をしていますが、ゼロにならないのが現状です。
待機児童の問題は、国が思っているよりもかなり深刻といえます。

終わりに

子供を持った世帯だけでなく社会全体で考えていかなければならない「待機児童」。
核家族化、女性の社会進出が進んでいる今、待機児童を解消していかないとさらに少子化になることが考えられます。
これからの未来、少子化を防ぐには待機児童の問題の解決は必須となるでしょう。
国から新しい対策が考案されることを期待したいですね…。