科学の力に触れ、個性を認め合えるインクルージョン・ワークショップ

ソニー・サイエンスプログラムとは、ソニー株式会社をはじめ、ソニーグループ、ソニー教育財団が、未来を生きる子供たちのために、科学の力を応用し、よりよい社会づくりに貢献できる力を培えるよう、ワークショップや、コンテスト、実験ショーなどを世界各地で実施しているプログラムです。

インクルージョン・ワークショップとは?

インクルージョンワークショップとは、障がいのあるなしに関係なく、ダイバーシティー&インクルージョン(一人ひとりの違いを個性として尊重し、お互いを受容することで、新しいものを生み出す力にする)を体験することにより、相互理解を深めることができるワークショップです。
また、ソニー・サイエンスプログラムの主旨でもある「科学」を学び、参加者の論理性、好奇心、想像力を育むことにもつながります。

今回のプログラムを主催するソニー・太陽株式会社は、約70パーセントを障がいのある社員が占めるソニーの特例子会社です。
スタッフ紹介の際、自身が抱える障がいを明かしながら挨拶をする姿からは、このワークショップの場が、まさしく「お互いを尊重し受容する場」であることを示唆し、それにより新たな力が生まれる可能性を感じさせてくれました。

ヘッドホン作りのワークショップ開始!

子どもたち2〜3人に対して、スタッフ1名のテーブルに分けられ、プログラム開始。
これからヘッドホン作りを一緒に進める仲間たちは、まずはそれぞれ自己紹介から。ハキハキと自分の名前を伝えられる子どももいれば、照れてしまってモジモジする子どもたちも見受けられます。

自己紹介をすませると、いよいよお待ちかねのヘッドホン作りが始まりました!
普段の生活でよく目にするペットボトルや牛乳パックが、どうやってヘッドホンに変身するのか、まだこの段階では想像できていない子どもたち。
スタッフの丁寧なアドバイスをもらいながら、楽しそうに進めていきます。

ペットボトルを切る機会もなかなか無いので、その意外な固さに戸惑いつつも、工作を進める子どもたち。なんとなくヘッドホンの耳あてになる部分が想像できてきたかな?
切り取ったペットボトルの耳あてに、音を鳴らすのに必要な強力なネオジム磁石を取り付けたあと、クッションテープを巻きつけて貼ります。

つぎの工程は、難所のホルマル線巻き。
緩んでもダメですし、引っ張りすぎて切れてしまっても音が聞こえなくなってしまいます。慎重に大胆に!
このホルマル線を巻き終わると、ヘッドホンの耳あての完成です。

耳あてができたタイミングで、「音が鳴る原理」の座学が始まりました。
いま組み立てたパーツがどのように作用したら音が鳴るのか、子どもたちの体験と学習がリンクする瞬間です。

ソニー・太陽株式会社は、国内におけるマイクロホンの基幹工場ということもあり、とてもわかりやすい説明で、観覧していた保護者たちもスクリーンに釘付けになっていました。
続いてヘッドホン作りの後半戦。牛乳パックでヘッドバンドを作ります。

型通りに牛乳パックをカットして、先ほど作った耳あてをはめ込みます。

ケーブルをミュージックプレイヤーに接続して、さあ緊張の一瞬。
自分たちが作ったヘッドホンは、ちゃんと音が鳴るのでしょうか?!

「鳴ってる!」

各テーブルで音楽が鳴ったことに驚き、喜び、安堵する子どもたち。
音がなる原理を文字や言葉で説明されても、子どもたちには理解しにくいと思いますが、ペットボトルや牛乳パックといった身近なものが、ヘッドホンに変化する工程を実際に目の当たりにしたことは、未来を生きる子どもたちと科学との、実体験を通した出会いだと言えます。

ヘッドホンを完成させたみんなで記念撮影!
全員が修了証をもらったあとは、保護者を交えて、周波数によって異なる音の聴きとりチャレンジがはじまりました。

最初は聞こえていた保護者の方たちも、周波数が高くなるにつれ、だんだんと脱落していき、

最後はやっぱり子どもたちだけ!

ハサミを使うのが上手い子。
絵を描くのが上手な子。
なかなかうまくいかないけど、最後まで頑張ってやりきる子。
そしてそれをサポートするスタッフや、見守る保護者たち。

インクルージョン・ワークショップ『ペットボトルと牛乳パックでつくるヘッドホン』の取材を通して、その空間にいる全ての人々が、一体となって、文字どおりダイバーシティー&インクルージョンを形成していたと感じることができる、とても有意義なプログラムでした。

インタビュー:ソニー・エクスプローラサイエンス館長 速見充男氏

子どもたちに、科学に親しんで、科学の力をつけてもらいたいという目的から、2002年に開館したのが、この『ソニー・エクスプローラサイエンス』です。
当時は基本的な科学の原理などを取り扱っていたのですが、オープンから15年経った今は、ソニーが得意としている「光と音」と「エンターテインメント」を融合し、楽しく伝えられる展示物を多く取り入れています。

社会的には、これからプログラミング教育が推進されることが宣言されていますので、ソニーのMESHという電子タグを使ったワークショップや、ソニー・グローバルエデュケーションで展開しているKOOVを使ったプログラミング教育を、インクルージョン・ワークショップでも行なっていきたいです。
ただ一方で、知識だけではなく、ワクワクしたりドキドキしたり、科学の素晴らしさに触れた瞬間を伝えられるようなプログラムも大事にしなくてはならないと思っていて、音が鳴る瞬間を楽しめた今日のヘッドホン作りのように、ソニーが培ってきた技術を噛み砕いて、子どもたちに体験させてあげたいと思っています。工作や物作りの楽しさを通して、科学の原理に触れてもらいたいんです。

今日のワークショップでヘッドホンの全てを理解できなくても、参加した子どもたちが今後、ヘッドホンを手にしたときに、この中に磁石が入っているんだ、ということを想像できますよね?それが一番大事だと思っています。
私たちが展開している『分解ワークショップ』も、そういったコンセプトのもとに行なっています。

展示物だけではなく、人が作る楽しさというのも大事にしています。
ソニー・エクスプローラーサイエンスでは、ワークショップに加えて『科学実験ショー サイエンスバトラー』というライブショーも定期的に行なっています。
デジタルコンテンツだけではなく、人が作るエンタテインメントを通して、人とのコミュニケーションの大切さも感じてもらいたい。
今後も、より多くの子どもたちに科学の素晴らしさを体感してもらえるよう、様々な展示やイベントを企画していこうと思っています。

関連リンク

Sony Japan | ソニー・サイエンスプログラム

科学のチカラで子どもたちに夢と希望を与える、「ソニーサイエンスプログラム」。活動レポートを紹介します。

ソニー・エクスプローラサイエンス

ソニー・エクスプローラサイエンスは、エレクトロニクス製品やゲーム・音楽・映画などのエンタテインメント技術に応用されている科学や原理のつながりを、映像や音響の体験を通じて楽しく学べるソニーの体験型科学館です。