5歳男児がねだった昆虫写真集

5歳の息子が幼稚園からもらってきたブックリストのプリントを見せて、

「これ、ほしい!」

とねだった写真集がありました。
表紙には20匹ほどの虫たちが散らばっていて、木の幹にとまっていたところを撮られたようなセミ、キャベツ畑を飛んでいただろうチヨウの姿があります。タイトルには、『今森光彦 昆虫記』とありました。

学校図書室に勤めるわたしは、すぐにピンときました。昆虫好きの子がよく借りていく写真絵本の作者名と同一でしたから、メガネをかけた写真家の顔がすぐに浮かんだのです。
息子が手に入れた写真集は、今森光彦が出版した本のなかでは初期のころのものです。購入して数か月が経ちますが、3日として本棚で寝ていることはありません。

今森光彦 自然と暮らす切り紙の世界展 | 三越 日本橋本店 | 三越 店舗情報

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12か月分のカレンダーをそれぞれの章に見立て、
その月その日、今森光彦が見つけた虫や植物が写真と文章で紹介されています。
たとえば、11月の扉は、一枚の葉にいるゴマダラチョウの幼虫なのですが、その構成が秀逸なのです。
晩秋の光が葉の裏にいる幼虫を浮かびあがらせていて、誌面を見ている読者には虫そのものは見えないのに影絵のようにツノが伸びていることやモコモコした胴の終わりまでがわかります。
また、8月の章には「古着屋」と題されたページで、虫が脱皮した殻を集めて一枚の写真に収めています。

持ち主は、殻を脱ぎ捨てたあと、さっさと去っていくらしく、いつも見当たらない。その殻をこまめに集めたら、古着屋のようになった。ー本文抜粋

小学校低学年向きを対象としているようで、漢字にはフリガナがありますし、索引は大きな文字で見やすくなっています。
小さな昆虫博士にプレゼントしたくなる写真集です。このシリーズは、埴沙萠の『植物記』や森枝卓士の『食べもの記』も出版されています。