虐待入院とは?

虐待入院とは、親からの虐待が原因で入院した子供たちが、治療後も施設などに入れず入院し続けることを指します。

虐待入院という呼び方は、NHKの取材班がつけたものでした。
「虐待入院」という呼び方を疑問視する声を寄せられたそうです。
しかし、「あえて強い言葉を使わなければ、厳しい現実は伝わらない」
という主張からこう呼ぶようになったといいます。

知られざる“虐待入院” ~全国調査・子どもたちがなぜ~ - NHK クローズアップ現代+

知られざる“虐待入院” ~全国調査・子どもたちがなぜ~ - NHK クローズアップ現代+

虐待入院の現状

小児科医の研究チームの調査によると、こうした子供が2016年までの2年間でおよそ356人いたことがわかりました。
また、入院中に保護者から新たな虐待を受けた子供が28人いたことも明らかになりました。

全国の児童虐待相談対応件数は、2016年3月までの1年間で約10万件。
これは、10年前の約3倍に上っています。
調査によると、15~16年に虐待を受けた子供計2363人の入院が確認されました。
このうち治療が終わったにもかかわらず5日間以上、退院できなかった子供が509人もいました。

この虐待入院は、子供たちの発育にも影響してきます。
看護師は、入院している子供たちを24時間、見守り続けることはできません。
中には、食事や入浴など限られた時間以外はほとんど1人で過ごしている赤ちゃん。
間もなく1歳になるというにもかかわらず、一人で座ることもできず心と体の発達の遅れが確認されています。

虐待入院

虐待入院の背景にあるもの

なぜ、虐待入院という事態が起こりうるのでしょうか。

考えられることは、職員不足や施設が足りないことです。
特に都市部では深刻な状況です。
東京では都内に7か所ある保護施設のほとんどが定員いっぱいの状態が続いていて、首都圏や大阪・名古屋なども厳しい状況です。

しかし、空きコマがある所でも、受け入れることができない理由がありました。

それは、かつてのように大人数ではなく、小規模で家庭的な雰囲気の中で子どもを育てるという厚生労働省の方針です。
そのため、年齢構成や子供たちの相性も考慮するため、条件が合わなければ断らざるを得ないといいます。
子供たちを受け入れる側も、虐待入院の現状に対し、もどかしい想いをしているのです。

虐待問題に社会全体で向き合う必要がある

虐待入院

人の子育ては親一人で完結するものではありません。
母親と父親が協力してする必要があり、母子家庭、父子家庭の場合であっても、周りに協力を求めることが重要になります。

虐待入院の解決には、もちろんその実態を知ることも重要です。
しかし、根本的に解決するには、「子育て」について考察することです。
子供の親自身が考えることははもちろん、子育てをとりまく制度や環境整備など、社会全体で取り組まなくてはならない問題ではないでしょうか。